シナプス(児島伸彦)

脳内には、ニューロンと呼ばれる神経細胞がシナプスを介してつながっていて、ネットワークをつくって情報を伝達している。ニューロンとニューロンを接続するシナプスは、その人がさまざまなことを経験したり学習したりすることで、それを記憶し、変化する。ニューロンから受け取った情報をそのまま流すのではなく、シナプスを大きくしたり小さくしたりすることで、情報の伝わりやすさを操作しているのだ。 シナプスには、そのはたらきを強くしたり弱くしたりする“機能的な変化”と、その数を増やしたり減らしたりする“構造的な変化”が起きている。新しい経験や体験などによって脳が活性化され、シナプスの通りが良くなれば伝達物質の放出量が増え、数が増えれば接点が増える分、情報をたくさん伝えられる・受け取れるという効果がみられる。